持続可能な開発のための適正な技術選択に関する包括的フレームワーク
(2019年12月7日・8日の国際会議で採択されました)
今日、SDGsは、多方面の人々・組織から支持される目標となっていますが、それでは、それを達成するためには、どのような社会のあり方、経済のあり方、あるいは技術のあり方が求められるのかは、あまり明らかでありません。
問題を技術の面から考えると、これまでの、効率・規模・速度の拡大・増大と経済成長・利潤を至上の価値とする近代科学技術体系の単純な延長上には、持続可能な未来を描くことはむずかしいのではないでしょうか。それに代わる技術体系がつくりだされていかなければなりませんが、その手がかりとなるものを探していくと、60年代中盤~80年代中盤に隆盛した適正技術に行きあたります。適正技術は、持続可能な開発のための技術としての要素をふんだんに含んでいますが、80年代中盤以降は勢いを失います。そこには、適正技術の概念があいまいで、多くの方々が納得・賛同し、コミットしていけるようなフレームワークが欠けていたことが本質的な問題としてあったと考えられ、それを補って、適正技術を今日的な意義をもったものとしてよみがえらせていくことは、今後の持続可能な社会形成のための技術体系にいたる近道ではないかと思われます。
そのようなことから、適正技術フォーラム関連団体の特定活動法人APEXでは、本年度より〈持続可能な開発のための包括的フレームワーク〉づくりに取り組み始めました。まずコンセプトペーパー(全4本)をつくり、それを元に包括的フレームワークのドラフトをまとめました。このドラフトは 2019年12月7日・8日に適正技術フォーラムが共催した国際会議で議論され、インドネシア・フィリピン・日本の計6団体と個人の方23名から賛同を受けて、発信が開始されました。
フレームワーク全文(PDF)
賛同団体(2023年4月現在)
特定非営利活動法人アジア・コミュニティ・センター21
特定非営利活動法人APEX
特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力センター
一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク
特定非営利活動法人「環境・持続社会」研究センター
特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター
特定非営利活動法人シャプラニール=市民による海外協力の会
世界女性会議岡山連絡会
株式会社適正技術研究所
適正技術フォーラム
東洋大学国際共生社会研究センター
特定非営利活動法人日本国際ボランティアセンター
一般社団法人モザンビークのいのちをつなぐ会
IBEKA(People Centered Economic and Business Initiative)
NNDSWO(Nepal National Dalit Social Welfare Organisation)
PRRM(Philippine Rural Reconstruction Movement)
SIBAT(Sibol ng Agham at Teknolohiya)
VIRI (Vietnam Rural Industries Research and Development Institute)
Yayasan Dian Desa(Light of the Village Foundation)
CRDT (Cambodian Rural Development Team)
CEHRDF (Centre for Environment, Human Rights & Developmen Forum)
Sustainable Development Goals Brigade India
Plus Batik
フレームワークへのご賛同をお願いいたします
このフレームワークは、国際的・セクター横断的な多方面の団体・個人の方々のご理解とご賛同を得て広めていきたいと考えています。ご賛同いただける場合、下記いずれかの方法でご署名をお願いいたします。
〇オンライン (Google Form)
下記より、グーグルフォームをご送信ください。
■団体としてご賛同いただける場合
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSeNdyBSGwm_MiTL9n8xGLUrmSePi6vPwDRXmOZ1hflyVOhVRQ/viewform?usp=sf_link
■個人としてご賛同いただける場合
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSf5Wc8kuyiHf-fAgoEHioS8pS1hv6Po_eUJ4-0uXey4vy4FYA/viewform?usp=sf_link
〇郵送・FAX・メール
下記の賛同書にご記入の上、適正技術フォーラムまでメール(スキャン 画像添付)または郵送でお送りください。
フレームワークのコンセプトペーパー
このフレームワークは、適正技術情報収集ワーキンググループ(APEX)、適正技術フォーラムの理事会、公開のフォーラム等のさまざまな機会で、下記のテーマ別コンセプトペーパー等にもとづく議論を積み重ねる中で練り上げられてきたものです。フレームワークの基盤となった考え方については、コンセプトペーパーをご覧下さい。
国際会議での各団体の発表
『持続可能な開発のための、適正な技術選択に関する包括的フレームワーク
―その意義と素案―』 (基調講演)
特定非営利活動法人APEX(日本)代表理事 田中直
『適正技術の重要な意義 ―インドネシアにおける水供給の事例より― 』
ディアン・デサ財団(インドネシア)代表 アントン・スジャルウォ氏
『フィリピンにおけるSDGsに向けた適正技術』
SIBAT(Sibol ng Agham at Teknolohiya) (フィリピン)代表エストレーラ・カタラータ氏
『東洋大学国際共生社会研究センターのSDGsへの貢献』
東洋大学教授・副学長 北脇秀敏氏
『インドネシアにおける小規模水力・風力発電による自立的経済の促進』
IBEKA(People Centered Business and Economic Institute)(インドネシア)代表トゥリ・ムンプニ氏
『フィリピンにおける農村コミュニティの総合的能力向上による持続可能な発展』
PRRM(The Philippine Rural Reconstruction Movement) (フィリピン)ディレクター レベッカ・マライ氏
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適正技術情報データベース
APEX/ATFJでは、適正技術の開発と普及を促進するための基盤づくりの一環として、適正技術に関する情報を体系的に収集する活動に、2018年度から取り組んでいます。活動は、文献収集、アジアの適正技術関連団体の訪問調査、事例収集などからなり、APEX/ATFJの会員のみなさまには報告書をお送りしている他、収集した情報を適宜公開しています。
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