【報告】第10回適正技術フォーラム「脱炭素社会の構築と適正な技術選択(その2) -太陽光発電と自立的地域社会の形成-」

2021年6月20日(日)に、第10回適正技術フォーラム「脱炭素社会の構築と適正な技術選択(その2) -太陽光発電と自立的地域社会の形成-」がオンライン(Zoom)で開催されました。今回のフォーラムは、前回に引き続き、脱炭素社会構築のための具体的方策を、技術面では太陽光発電に焦点を当てつつ、考えました。当日は、31名(講師・スタッフ含む)の方々にご参加いただきました。ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

まず、基調講演として、株式会社システム技術研究所所長 槌屋治紀氏より、「2050年100%自然エネルギーシナリオ-エネルギー耕作型文明への転換をめざして-」というタイトルでお話をいただきました。人口減少や効率向上(省エネルギー)により、エネルギー需要は、2050年までに、2015年と比較して42%まで減少する見込みであるそうです。そのため、2050年には100%自然エネルギーでも無理なく電力の供給ができるようになり、脱炭素社会が構築できるという可能性を、詳細な計算に基づき示されました。また、2050年のエネルギー供給構成等もご発表いただきましたが、日本では風力発電と太陽光発電のポテンシャルが高いそうです。
2つ目の講演として、合同会社AgroKraft代表社員の近藤恵氏より、「ソーラーシェアリング-農業と発電の相乗効果による地域の自立的発展に向けて-」というテーマで、講演がありました。ご自身の福島での原発事故被災の経験と、そこから現在のソーラーシェアリング事業(農業と太陽光発電を組み合わせた複合農業経営)に至るまでを、ご紹介いただきました。近藤氏が行われているソーラーシェアリング事業は、「福島百年未来塾」という、農家が自ら社会問題等を学び考えるグループから発展し、ご当地電力を行なっている方々にサポートをもらって進めてきたものだそうでして、住民参加型で適正な技術選択を行うことがいかに大切か、改めて感じさせられました。
続くパネルディスカッションでは、適正技術フォーラム/特定非営利活動法人APEX 代表理事の田中直がモデレーターを務めました。最初に田中から、前回のフォーラムで発信を開始した<脱炭素社会構築のための適正な技術選択に関する提言>についての簡単な紹介があり、それも踏まえて質疑応答が行われました。日本のエネルギー供給について、重要から考えるのか、供給できる量から考えるのかなど、講師/モデレーター間での意見交換も行われました。

 

今後も、オンラインでのイベントが多くなるかと存じますが、ぜひ積極的にご参加いただけますと嬉しいです。

 

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