【報告】第2回適正技術フォーラム「衛生分野における適正技術をめぐって」を開催しました
6月3日(日)に第2回適正技術フォーラム「衛生分野における適正技術をめぐって」を開催いたしました。今回は、世界の衛生状況改善をはかるために、「衛生分野」をテーマとし、第1部の講演の部では、途上国における衛生に係る問題解決に向けた取り組みをしている方々にご登壇いただきました。
①衛生分野における適正技術 東邦大学副学長・教授 北脇秀敏氏 途上国における適正な技術の持つ要件のご説明と普及させる際に必要となる要素や技術要件を発展度合いやそれに応じたニーズ変化といった時間軸にも照らして解説。具体的な技術協力事例と問題点等を示していただきました。
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②水処理における先端技術と適正技術を踏まえた環境再生保全の方策―インドネシア・中国・ベトナム等諸国への技術移転の経験からの提言―」(公財)国際科学振興財団バイオエコ技術開発研究所所長 稲森悠平氏 それぞれの地域のバイオシステムおよびエンジニアリングの融合によるシステムの構築とそれらの適正な管理の重要性をご説明をいただいた後、排水処理におけるバイオエコエンジニアリングの国内外での事例をご紹介いただきました。途上国の地域特性に合い、効率の高いシステムとするための技術要件について、じ開発秘話などを交えてお話しいただきました。 |
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③アジア型低コスト回転円板の開発と普及―企業とNGOの連携による現地適合型排水処理技術による展開―」 企業とNGOの連携による実施例として、積水アクアシステム社の長谷川光行氏が、当社の生物学的排水処理回転円法の概要や開発の歴史について説明。NGOとの共同開発における「立体格子状接触体エスローテ」の特徴やソーシャルビジネスとしての展開を目指し、中国・タイ・ベトナム等への導入事例についてお話いただきました。 |
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続いて田中より、上記エスローテも用いられた途上国に適合的な排水処理設備について、当地における課題や求められる技術要件およびこれまでの開発の経緯なども踏まえてご説明いただきました。
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第2部では、参加者6,7名ごとにグループに分かれ、下記の3つの問いに対してディスカッションを行いました。
今回は水処理がテーマでしたが、それぞれのグループでは、開発技術の要件や政策、国際協力事例等、様々な観点から示唆に富んだ議論が行われており、高い関心と専門性をお持ちの方が多くご参加くださったことがうかがえました。たくさんの方にご参加いただきまして、ありがとうございました。
次回第3回適正技術フォーラムは、9月1日に行います。テーマは、情報技術イノベーションと適正技術がテーマになります。継続的にご参加いただけますとさいわいです。